2021-05-31

金魚鉢の水を替えるように

っと私の前世は、

岩に苔がびっしりと生えるような深い森で、

家族4人、穏やかに慎ましく暮らす鹿だったのだろう。

 

植物のない部屋にいると、

重力のない宇宙に放り投げられたような気持ちになるからだ。

 

そのため、定期的に家の植物を取り替えてくれる花屋の夫婦は、

金魚鉢の水を変えてくれる飼い主のような存在で、

いつも大変お世話になっている。

 

初めは遠慮がちに、観葉植物を提案してきた夫妻も、

次第に楽しくなってきたのか、最近では、創作物を家の壁や天井に取り付け、

ちょっとした植物園のような空間と変貌した。

今日は、花屋夫妻による作品の一部をご紹介しよう。

 

天井からキウイの枝が伸びているので、頭上に注意していただきたい。

仕事は実直ではあるがお堅い見た目のプロジェクターは、

アジサイを基調としたスウェーデンの花嫁風に仕上げていただいた。

装飾がお気に召したのか、心なしか映像の解像度が上がった気がする。

 

次に隣の壁をみて欲しい。

ヤシの葉をベースとした、直径1メートルのフラワー・アートが飾られている。


私は、しがない賃貸人なので、壁に穴を開けることは許されない。

壁に穴をあけずに、壁に花を装飾せよ」というエニグマ的な難題に対して、

花屋夫妻は、驚くべき解決策を示してきた。

 

彼らは、木目の突っ張り棒を2本取り付け、その間に「」を渡したのだ。

この革命的な発明により、賃貸人が抱えるひとつの悩みは、この世界から姿を消した。

 

生きた植物を育てる際に、最大の障壁になるのが「水やり」だろうか。

家を空けることが多い我々にとっても、水やりは頭を悩ます問題だが、

花屋に相談して解決しないことは、この世界に存在しない

彼らは、水を溜めたガラスの瓶に、季節の枝を指すという神の一手を提案し、

日々植物に囲まれながらも、長期滞在を可能とした。

今では、我が家における主な戦略となっている。

もはや空気清浄器を置くことが、不謹慎なくらいである。

大きな美術館が、季節ごとにアート作品を替えるように、

部屋の植物が定期的に変わる様は、わびさびを感じてなんとも良いものだ。

 

ひとつ前の植物は、毎朝、落ち葉の掃除をさせられていたが、

それも今となっては、愛おしいくらいだ。

あなたが部屋のインテリアに困ったときは、

街の花屋と、専属顧問契約することを検討しても良いかもしれない。

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コメント33件

  • Sayuri Si says:

    Hello Mr.K!
    4人家族の鹿というところは、お会いした時に教えていただくとして…笑
    緑を生活に取り入れることを、花屋さんと提携して行っていることに素晴らしさを感じました。
    その花屋さんは信頼され腕前を発揮し心地がよいことでしょう。
    グラスに水を入れ木を取り入れるアイディア、ステキですね。

  • ☆なが☆nagasan☆ says:

    Kさん、こんばんわ。

    匠と会話されながら
    自分の居心地の良い空間を作る共同作業に
    感心しました。

    以前にも少し触れましたが
    職人は「これでどうだ!」と言い
    匠は「これでどうでしょうか?」と問いかけてきます。
    なので
    Kさんの花屋さん夫妻は匠なのでしょう
    そして
    Kさんもきっと要望と問いかけを行っているでしょうから
    花屋さん夫妻からしてみれば匠なお客様なのでしょうね(^_^ゞ

    今回は花屋さんを通して
    人と人との絆作りの極意を感じました。

    ありがとうございます。

    なが

  • ショウ says:

    変わり映えしない日々を過ごしている人が多い世の中で、定期的に花屋さんに装飾を依頼しているのはK氏を含めても両手で数えられるぐらいではないのかと思う。

    家の中でも自然を感じられ、自然があるから変わりゆくものを常に感じ続けられる感性が磨かれているのかもしれない。

    私は変化のしない世界が安定していて何よりも過ごしやすいものと思って来たけど、実際は変わってゆくものを受け入れないだけなのだと改めて思った。

    変わりゆくのが自然なのだから、自分も自然を楽しんでいこうと思う。

  • 貴明 Takaaki says:

    Kさん、こんにちは。
    今回も楽しく記事を拝見させていただきました。

    部屋にいながらも自然を感じられたいKさんは自然に敬意を払い、自然から多くの学びを得ている方なのでしょうね。

    私も自然の少ない街中に随分といたためか自然豊かな実家に帰った時あまりの自然の美しさに感動しました。Kさんは常にそれを感じ取られて感性を磨かれているのでしょう。

    プロジェクターを美しい花と枝葉で装飾されている方はKさんが初めてです。確かにプロジェクターを装飾しなかったら、美術館や品のあるカフェのような部屋を目指されているKさんの部屋では調和を取れなくなりそうですね。

    これからも記事を読ませていただきますね。
    有り難うございました。

  • 翔平 says:

    Kさん、こんにちは。

    私も最近になり、家の中で観葉植物を置くようにしました。

    インテリアとしてもとても気に入っているのですが、水やりなどが作業に感じてしまう時もあり、落ち葉を拾う日々を過ごしています。

    今回の記事にもあったように、街のお花屋さんに専属顧問契約をするのがとてもしっくりきました。

    家の雰囲気などに合わせてもらえたり、壁にフラワーアートなどもとても素敵ですね。
    さっそく、調べてみます。

    今回の記事もとても楽しかったです。

  • 淳弥 says:

    季節の移り変わりによって植物が変化していくことを考えながら過ごす1年は大変愉しく奥ゆかしい日々になるだろうを想像できます。

    花屋さんと専属契約することができるなんて初めて知りました。

    ですが、僕もアクアリストとして活動していた時は、家に置く水槽の専属契約で世話をする仕事があったので、同じ部類のお話かと思いました。

    やはり、その道のプロに尋ねれば必ず良い答えを持っているものですね!

    今回も楽しませていただき、ありがとうございます!

  • Yusei says:

    家の中に植物や花を置くと雰囲気がいいですね。

    ひとつ「自然」を部屋の中に飾ってみたくなりました。

  • 琴美✈︎ says:

    「木を水に挿す」
    木は土に植えるものとばかり思っていたので、目から鱗です。

    また家の中に緑やお花があるのは良いですよね。

    季節のお花を「どの花瓶だと似合うかな?」と考えながら花瓶を選んだり、木は水が足りているか毎日体調をチェックしてあげて。

    私の家にある小さな桜の木がまた来年綺麗な花を咲かせてくれるのが今の楽しみです。

  • ゆかり says:

    長年実家暮らしだった私は、小さい頃からあるモノで溢れかえっていて、一から部屋をデザインし直すには面倒で、
    将来はオシャレな部屋にしたいな。なんて思っていましたが、
    実際今は、好きなようにできるお部屋を獲得したにも関わらず行動できていませんでした。

    植物を置きたい、でも虫が来るんじゃないかな。(自然豊かな沖縄生活中、毎日ベランダに大量に虫があそびにやってきます。)
    そんな事を考えるだけで終わっていました。

    今回のこだわりを披露してくださり、やっぱり私も植物を置きたい!ってなりました。
    まずは見に行くところから始めてみます。

    この前もそんな事を言いましたね(笑)

    とにかくいきなり完璧を目指すのではなく、できることからやってみます。

  • 小川 恵 says:

    植物は癒されますね。
    部屋が生き生きしてきます。

    自分で植物を育てることはありましたが、
    街の花屋と専属契約はCodawariですね。

    部屋で、四季折々の植物を感じられたら
    なんて素敵なんでしょう。
    想像しただけでも癒されてきます。

    また未来の視野を広げていただきました。
    ありがとうございました。

  • 雄貴 says:

    お花は必需品ではないけれど、あったら日常を彩ってくれる素敵なアイテムですね。

    最初は嬉しい気持ちになるけど、お手入れが最もネックになる部分だったので、
    街の花屋さんと専属顧問契約することを検討してみます。

  • 亜也可.ayaka says:

    ドライされた花や植物の穏やかな色合い、瑞々しい緑、たっぷりと水の入ったフラワーベース、思わず深呼吸をしてしまいたくなるような空間ですね。

    大胆な発想が、あたかもそれはずっとそこにあったかのように、部屋にぴったりと収まり、どれも心地よく馴染んでいるように感じられます。

    お写真を見ているだけでも、水を得た魚ならぬ金魚のように、生き生きとし、ふつふつと喜びが溢れてくるようです。

  • 真里 says:

    まるでご自宅に招待された気分になりました。
    一番始めのお写真は透明感があり、まさにスウェーデンの寒い土地と幸せな花嫁にぴったりですね!単純に「花を飾ると良い」と聞きますが「何故」いいのかは聞きませんね。Kさんの前世が鹿なら植物=食べ物が身近にある方が落ち着きますね。
    今は食べ物というよりは「同居人」という印象を受けます。お互いの存在を尊重し、気持ちの良い空間を作る努力をされるKさんのお心に触れる事が出来、私もそんな気持ちの良い存在でありたいと思いました。
    次回のお話も楽しみにしています。

  • Yuto Ueda says:

    何事もまずは専門家の話を聞く。
     
    知識があるから斬新なアイデアが出せるし、基礎があるからこそ応用もきく。
     
    観葉植物の話題からも、それ以上に多くの事を学べた気がします。
     
    素敵な記事をありがとうございました。

  • 秀直 says:

    花屋と顧問契約を結ぶ提案はいいですね。

    何の木の枝と葉がどのくらいの二酸化炭素を酸素に変換してくれるかをきちんと計算してもらい、森に入らずとも綺麗な空気が循環するような部屋つくりに取り組んでみたいです。
    一体どれほどの緑が必要なのか面白い企画になりそうです。
    その前に植物と金魚から学ぶ生存戦略の学習が必要です。

  • さよみ says:

    植物に触れることはとても良い刺激や癒しにもなって良い事だと改めて思います。自宅庭にも季節に合った花を植え、玄関に飾ったりと楽しんでいます。
    土や植物に触れる度に童心に返った気分にもなるので元気が出ます。

  • 美保 says:

    水の入った透明なガラス瓶に刺されているからか、枝から葉まですべてが見えているのが美しいアートに感じます。

    部屋の中に、もはや宙に浮いたような雰囲気のある自然との融合がとても綺麗です。

  • まれすけ says:

    いつも思うことですが、その道の「プロフェッショナル」の発想は、素人のそれを遥かに超えていきますね。
    ガラス瓶に枝を挿す。うなりました。
    部屋の中に緑、必要と思い、手入れのいらない人造の草花を置いているのが恥ずかしくなりました。

  • りゅうき says:

    素敵な記事をありがとうございます。

    観葉植物ってなんのためにあるんだろう。
    ずっと疑問でした。

    お部屋の写真を拝見して、
    自分の部屋にあったらと想像してみました。

    「落ち着く」
    僕にはまだこの感想しか思い浮かばないと思います。

    きっと取り入れてから
    感じられることがあると思うので、
    近くの花屋さんで花を購入してみようと思います。

    いつもありがとうございます。

  • 三井幸子 says:

    水の入った瓶に枝をさすとは考えてみませんでした。花ならば花瓶にさすのは当たり前ですが、緑のものを瓶にさすだけで部屋がグッと癒しの空間に変わりますね。お洒落な瓶も探して季節ごとに緑を楽しむのもいいですね。

  • 澤見優子 says:

    Kさんの背景に映る観葉植物が素敵だと思っておりました。
    私は今、部屋の2カ所に花を飾ることを想像し、ワクワクしております^^
    部屋に植物があるって、本当に癒やされます。

  • 若菜 says:

    遥か昔、人は元来緑に囲まれて暮らしていたので、賃貸であろうがなかろうが住まいに植物を取り入れることは至極当然のことと思います^^

    それにしても、とても素敵なグリーン達ですね!^^
    ドライフラワーもさすがプロの手にかかるとこんなに美しいのですね。

    記事を読んだおかげ様で、我が家の庭も庭師さんにしっかり剪定してもらおうと思い立ちました。
    ありがとうございます^^

  • まさ says:

    部屋に植物を置きたいと思ったのは随分と前のこと。

    外出先で花や観葉植物を目にすると暫く見入ってしまうことがあります。

    この記事を読み、引っ越しを機会に、次は部屋に植物を置いてみようと思いました。

  • 柴田みのる says:

    Kさん、こんにちは。

    無機質になりがちの部屋を花屋さんと専属顧問契約を結んで、癒しの空間を作り出されていて、とても素敵です。
    水やりの課題も植物たちが土からではなく直接、花瓶から水を吸い上げる形で斬新ですね。
    花瓶も透明で美しさを感じつつも、倒れにくくなっているような気がして、安全性にも配慮されているcodawariが感じられますね。

    これからも楽しく拝見させて頂きます。

  • ikejima saki says:

    こんばんは!!

    水を溜めた瓶に季節の枝
    とてもお洒落です。

    将来、植物のある生活がしたいので
    街の花屋と専属顧問契約しようと思いました。

    金魚鉢の水を替えるような
    素敵な花屋さん見つけます。

  • 秀道 says:

    Kさん
    いつも独特の世界観を楽しませていただいております。

    部屋の落ち花を掃除するのにも楽しさを見出す、余裕と気品が素晴らしいです。

    部屋に植物を置くことで、空間に自然と安らぎが感じられる様になりますね。私の部屋は硬い物(金属)ばかりが目に入るので、この記事をきっかけに観葉植物を購入したいと妻に提案しました。

    ありがとうございます。

  • みゆき says:

    植物のある生活。

    季節を部屋の中で感じ
    その生命力に心奪われます。

    こんな植物との生活があるのかと
    ワクワクしました!

  • 石黒知行 says:

    花屋さんは世を忍ぶ仮の姿、
    きっとそのご夫婦は
    魔法使いの弟子に違いありません

    木々や花々が嬉々として
    部屋中を小躍りしておりますから♪

  • 貴子 says:

    天井からキウイの枝を伸ばす発想は無かったです。工夫次第で部屋を植物園とできるのですね。秋にはまた部屋で紅葉狩りが出来ると思うとそれもまた楽しみですね✨

  • あめ says:

    毎年我が家の庭の襲い来る庭木の枝、忍び寄る芝および雑草と戦っている私は、戦の戦利品の花菖蒲を玄関に飾るくらいの事しかしてきませんでした。

    草花との向き合いかたをお花屋さんに相談してみようと思います。庭師さんにも。

  • Yuki says:

    ここ最近、一輪の花をいただいた事がキッカケで、
    花というものに興味を持ち始めました。

    必需品ではないけれど、あったら日常を彩ってくれる素敵なアイテムですね。

    僕も、あえてそういった部分にcodawariを持っていきたいので、
    将来的に、街の花屋さんと専属顧問契約することを検討してみます。

  • 摩衣 says:

    ・枝を挿す
    ・大ぶりのドライをあしらう

    これは
    「大きな庭に自分で植栽して、それに囲まれて暮らしたい」
    と同時に
    「渡り鳥のように暮らしたい」
    という、相反する願望を長年持っている私にとって、
    現時点での完璧なソリューションだと思います。謝謝!

    ご紹介よろしくお願い致します☝

  • shingo says:

    「水を溜めた瓶に枝さす」

    方法もさることながら、見た目も斬新で
    お洒落ですね。

    こんなに大きな枝をさして瓶は倒れないのか?
    など余計な心配をしてしまいますが、
    迫力がありますね。

    そして、街の花屋さんは、
    こんなことまでしてくれるんですね。

    私も植物は好きで、ガジュマルとポトスの
    植木が元気よく育っていて、青々した葉が
    毎日の癒しになっています。

    次回の植物購入の際には、
    この写真を参考に何かの枝を
    チャレンジしてみます。

    貴重な情報、ありがとうございました。

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