2021-05-29

ヘンゼルとグレーテルを読みながら


私は極力、毎日ワインを飲むようにしている。

 

雨の日も、風の日も、嵐の夜でさえも。

あるいは、追い込みすぎて大腿四頭筋が痙攣している日にも

不屈の精神で奮い立ち、葡萄酒を飲んでいる。

 

自らの哲学によって、善の確信をもって飲み続けているが、

イエス・キリストが「私の血はワインである」とお墨付きを押したからには、

得をすることはあっても、損をすることはないだろう。

 

しかし、私の家を訪れる客人の中には、ワインを飲めない方もいるので、

そのような方のために、いくつかのノンアルコール・ドリンクを用意している。

 

今日は、ハーブ・コレクションのひとつをご紹介しよう。

 

一部の人たちは、ハーブやスパイスというのは、

半永久的に保管できるものだと考えているが、

空調や日光に気を遣わなければ、割とすぐに香りが飛んでしまう。

 

ツタンカーメンが、3000年もの間、人の形を保っているのは、

空調が整えられたピラミッドによって、守られてきたからであって、

砂漠に放置すれば、いかにエジプトの王でも、3日で蒸発するだろう。

 

そのため私は、50グラム以下でパックされたブレンド・ハーブを使う。

我が家のファースト・チョイスは、【リッチフィールド】のプロトン・ハーブだ。

ハイビスカスとローズを中心としたブレンドで、

抽出したときに、上品なブルゴーニュ・ロゼの色を醸しだす。

 

ミネラルウォーターを沸かし、ストレーナーを使って、

ハーブをじっくりと煮だしていこう。

ハーブが抽出される5分間は、香りが部屋に広がる至福のひと時である。

ツムツムやニュースをみて過ごしては、あまりに興が削がれるので、

普遍的に人気があるグリム童話を読んでみてはいかがだろうか。

 

物語の長さがちょうど良く、世界観もぴったりである。

クッキーを摘まみながら、ヘンゼルとグレーテルなんて素敵ではないか。

 

久しぶりに読んでみると、童話というのはなかなか面白いもので、

原則として、かなり無理のあるどんでん返しで締めくくられる。

最後には何もかも上手くいった」というように。

 

ヘンゼルとグレーテルも、要約するとこんな具合だ。

「男の子と女の子は、親に捨てられ、魔女に食べられそうになった。

しかし、最後には何もかもうまくいった。」

 

さて、ハーブ・ティーが抽出された頃なので、仕上げに入ろう。

これは、極めて個人的な意見だが、

ハイビスカスのハーブティーには、シャルドネ・グラスがよく似合うと思う。

 

ただし、一口にシャルドネ・グラスといっても、

酸味が強いミネラリーなタイプではなく、

樽熟成されたリッチなシャルドネ用の口の広いグラスだ。

 

大きな氷を入れて、オン・ザ・ロックで仕立てれば、

慎ましい4人家族の昼食代くらいの高級ハーブ・ティーとなる。

これなら、隣でロゼ・ワインを飲んでも、文句は言われまい。


関連記事

コメント16件

  • 真里 より:

    どんなに好みの違うタイプの方でも、工夫次第で自分の習慣を崩さずにお互い気持ちの良い空間を演出が出来るというKマジックを体感しました。こんなに素敵なハーブティーはお店でもお目にかかったことはないです。少し前に、地元レストランでコーヒーを注文したときに、コーヒーの種類によって器を変えるサービスを初めて受けました。その陶器もコーヒー豆も気に入ればそのまま購入出来るのですから、焼き物職人さんもニッコリのサービスです。昼食をしっかり食べた後だったので飲み比べまで出来ませんでしたが、飲み物を選りすぐるなら器も選んでしかるべき。いつも勉強させていただきます!初めてなのでドキドキしておりますが、お店をシェアさせて頂きます!

  • 美保 より:

    ワインが飲めなくても、時間をかけて抽出し、さらにはグリム童話まで楽しめるような気の利いたハーブティーを出された際には、文句の一つも言えない自分を想像しておりました。

    オイルランプと相まって、見た目からも虜になってしまいます。

  • さよみ より:

    ハーブティーは、頻繁に飲んたりはしないですが、その場にあるだけで高級感漂いますね。
    童話を読みながらも時間の流れがゆったりした空間がイメージできます。
    そんな素敵な空間を心がけたいなと思いました。

  • まれすけ より:

    ヘンゼルとグレーテルの要約の仕方!
    斬新すぎます。思わず笑ってしまいました。
    ハーブティーが、お酒を飲まないご友人のためとKさんご自身がワインを飲むための2つを高い領域で満たすものだったとは。
    ジャスミンティーくらいしか飲んだことはありませんが、おすすめのリッチフィールドのプロトンハーブをポチろうと思ったら、Amazonにはありませんでした。
    この辺りも俗物の現れですね。
    調べて足を運んでお店で買うということも大切なことだと認識しました。
    気づきをありがとうございます。

  • かな より:

    お酒が飲めない体質なので、ノンアルコールドリンクが多いレストランや居酒屋にはテンションが上がります✩.*˚
    お酒が飲めないお客様にも飲み物を楽しんで貰いたいというKさんの気遣いが素晴らしいです。
    お写真のハーブティー、とてもお洒落で美味しそうですね(*´∀`*)
    ハーブティーが出来上がるまでの時間もただボーッと待つのではなく、童話を読んで過ごす…とても優雅で素敵だと思います。

  • りゅうき より:

    素敵な記事をありがとうございます。

    ハーブティー。
    全くもって未知の領域です。

    ハーブティーを飲む。
    そんな発想はありませんでした。

    馬の汗でも嗅ぎ分けられる。
    その嗅覚を手に入れられたら
    さらに楽しめる。

    まずは自分を磨き、
    ハーブティーを飲むにふさわしい人間になります。

  • 剛熙 より:

    Kさんのブログの文章は言わずもがな素敵なのですが、コメントをしている皆さんの表現力の高さに毎回驚いております!

    ハーブティーは僕自身も最近購入し始めましたが、抽出時間は筋トレをすると言うなんとも不釣り合いな待ち方をしておりました

    至福の時のために自分を追い込むと言うのも悪くはないと思いますが、少しゆったり過ごしてみようと思います✨

  • Mariko より:

    まさにcodawariの一品ですね。

    私はワインの味は好きでも飲めない一人として、こういったハーブティーなどのcodawariは持ちたいと思います。

    私の血は、ほぼ良質な水とコーヒーで成り立っていますが、鮮やかな色合いを出し、美しさを磨くためには、このようなハーブティーも必要ですね。

    私にとってのロゼを見つけようと思います。

    いつもありがとうございます。

    codawariの大ファンです。

  • 石黒知行 より:

    全人類の凡ゆる憂いでさえも、

    「最後には何もかも上手くいった」

    なんてすてきな後味に変えてしまう
    魔法のようなハーブティー♪

    これさえあれば、
    あの人魚姫ですら
    ハッピーエンドですね♪

  • 若菜 より:

    なんと魅力的な飲み物でしょう・・!
    ハーブティーもワイングラスに注げばこんなに素敵な1杯になるのですね。
    先日ご紹介されていたアルコールランプとのお写真の相性もとても素敵です^^
    来訪される方へのお心遣いも学ばせて頂きました。

  • shingo より:

    ハーブが抽出される5分間の香り
    を想像しながら読んでいました。

    私はなんでも見た目から入るタイプなのですが、
    このハーブティはもはやロゼを超える画だと
    思いました。

    こんなお洒落な飲み物が、自宅で出てきた日には
    その後は、仕事も人間関係も何もかもが上手く
    いきそうですね。

  • Reika より:

    ハーブティーかできるまでを細かく描写されていて、読んでいた私も、その空間にいるような気分になりました。

    ハーブティーへのこだわりを語る会かと思いきや、ワイングラスに対するこだわりも同時に伝わり、グラスさえもいっさいの妥協を許さない所に感動しました。

    明日のこだわりはなんだろう…
    毎日ワクワクしながら次の日に更新されるのを心待ちにしています!

  • 美穂 より:

    嗚呼…あの魅惑のハーブティー…
      
    先日ご自宅で淹れてくださった、あの魅惑のハーブティー。
      
    私は本を読むことなんて出来ず、ただ、ただ、ウットリするのが精一杯だった。
      
    ブランド名も上の空で聞いてしまっていた、あの魅惑のハーブティー。
      
    ここに、いらした。
      
    (便利な時代に感謝し、購入ボタンをそっと…)

  • 摩衣 より:

    酸化したハーブティか否かを判別するために、
    「馬の汗」の訓練に1年間励んだ。

    そして何もかも上手くいった。

    という感じでしょうか。
    ワイングラスの似合うハーブティを堪能するために、
    先にやるべきことがあるようです。

  • あめ より:

    最初は穏やかな午後の昼下がりにテラスでハーブティーを楽しんでいたはずが、いつのまにか蠱惑的なバーでグラスを傾けていました、くらいのヘンゼルとグレーテルもびっくりの急展開でワクワクしながら読みました。
     
    ノンアルコールでも雰囲気に酔える素敵な空間ですね。

  • 貴子 より:

    やはり保存食と言えども空気に触れてしまえば酸化は免れないのですね。
    香りはハーブやスパイスの命そのものですものね。
    ノンアルコールの人気がジワジワ出てきている中、これは間違いなくワインに匹敵しますね。来訪者への心配りを惜しまぬことがワインを存分に楽しめ、お互い心地の良い時間となりますね。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です