2021-06-02

メリオールとの結婚

この世界において「」は安定の象徴である。

地球や太陽、月の周回軌道から、原子に至るまで、

力が均衡した先に、調和に至ったものは「球」の形となる。

それは削られた岩が、川の流れによって、丸い石になるように、

あるいは、尖りのある青年が、歳を重ねて丸くなるように、

「球」は、安定と平和の象徴だと、私は感じている。

 

一日の始まりには、近代的な装置や、尖りのあるアートも悪くないが、

やるべきことを終え、平静と調和を感じたい夜には、

丸みを帯びたものに囲まれると、瞑想に入りやすくなるだろう。

今日は、美しい球の形をした「水とワインの容器」をご紹介しよう。

 


「BODUM」のウォーター・デキャンタ「MELIOR(メリオール)」

水2リットルとワイン1本のサイズだ。

水を含んだ球が、灯を拡散するように反射し、何とも言えない輝きを放つのである。

ちょうど、夕焼け地平線が染めるように。

 

私は常々、購買というのは「小さな結婚」のようなものだと捉えている。

少なくともその瞬間に、「生涯添い遂げる」と誓えるものとだけ契約を結ぶべきで、

妥協や諦めでサインをすると、ロクな結末になりはしない。

 

妥協した夫は、浮気を繰り返し、離婚調停で破産を迎え、

諦めた妻は、つまらない夫に好意と敬意を持てなくなるのだ。

 

私は、メリオールに愛を誓ってから、欠かさずクエン酸で手入れをし、

常に感謝を伝え、何年経っても変わらない愛情を注ぎ続けている。

もしも「メリオールに相応しい夫コンテスト」が開かれれば、文句なしに一等だろう。

賞品として、グラス磨きセットくらい貰えるかもしれない。


メリオールが素晴らしいのは、その美しい見た目だけではない。

反抗期を迎えた若く棘とげしいワインも、

メリオールとシャワーを使って、空気に触れさせれば、

経年熟成されような、丸みを帯びた穏やかな味わいに変わる。

 

今夜は、反抗期を終えた息子と共に、羽鳥湖に広がる星空を眺めながら、

「球」の神秘について、考えてみようではないか。

 

PS(追伸)

Kは、偏屈で気難しい人物である。

それゆえ友達が少ないため、申請してあげると喜ぶに違いない。

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コメント28件

  • ☆なが☆nagasan☆ says:

    前略

    Kさん、こんにちわ。

    コンテスト一等賞おめでとうございます。
    私の中でもKさんのこだわりは一等賞です。

    私の界隈では私のこだわりもなかなかかなと思っていましたが
    私の想定内を覆していただき、ありがとうございます。
    買い物を「小さな結婚」「生涯添い遂げるコト」までの発想はなく。
    このブログ記事に出逢わなければ
    先人達の知恵と工夫と心の豊かさを軽んじたまま棺の入るところでした。

    人間的な魅力は丸さや尖り具合も良かろうと思いますが、夜の目というか眠りにつく前の目には
    丸いモノが必要ですね(^_^ゞ

    何かと騒々しい現実社会において、せめて自分の目に入るモノには丸いモノを見させてあげるコトも必要なコトも
    今回のKさんのブログで学ぶコトができました。

    Kさん、ありがとうございます。

    なが

  • Sayuri Si says:

    Hello Mr.K!
    ひと手間をかける、って大切ですね。
    そして、形が与える影響、大きいですね。
    小樽にまあるいゆらゆらと揺れるコップがあります。職人が、手作りで作るために揺れても起き上がらないコップとなることもあり、店頭に並ぶ物が完成するには何個も失敗があるようです。
    そのまあるいデキャンタを作ると決めデザインし作成され、それをおうちで使い楽しんでいることは、それに関わった全ての人も笑顔にしてしまう、不思議なパワーを感じます。

  • ショウ says:

    鋭利な形をしているとどこか攻撃的な印象があって、丸みを帯びているとやはり優しさを感じるものだと思います。

    人が作れる綺麗な「球」で思いつくものというと、なぜか私は泥団子でした。誰でも自分の手で作ることができるからかもしれません。

    ものを買うときも、何かを決断する時にも「妥協」は決してしない方がいいです。
    なので購買が「小さな結婚」というのはしっくりきます。

    その時に最良の選択をしていけばよいと思います。あとになってさらに良いものを手にできる機会は来るとしても、それはその時の最良だから。

    その時の出会いに感謝していきます。

  • 貴明 Takaaki says:

    Kさん、おはようございます。
    とても興味深い記事を拝見させていただきました。

    購買を小さな結婚と捉えられている考え方はKさんがモノを大切にされていることから由来しているのでしょうね。日本の古来からあるモノを大切にする文化を体現されている素晴らしい行動ですね。

    球に関する考え方を言葉にしてくれたことはとても参考になりました。非の打ち所がない意味を表す完璧の「璧」も球を指し示していることから古くから人類は球に対して大きなインスピレーションを受けていたみたいですね。

    メリオールを介してどれほどワインの味に影響を与えることができるのか試したくなりました。

    これからも拝見させていただきます。
    ありがとうございました。

  • 淳弥 says:

    「購買」=「小さな結婚」という表現は僕の中で、心の奥深くまで刺さる素晴らしい言葉でした。

    思えば、今まで買い物をする時は「この中だったらこれがいい」とかなり狭い範囲から決め、後に、もっと気に入ったものが見つかり後悔した経験があります。

    一生に一度の結婚をそう易々と決めてはいけませんね。

    今回も素晴らしい記事を楽しませて頂きました!

  • Yusei says:

    「購買は小さな結婚」
    愛情をどれだけ注げられるか

    ひとつのモノを丁寧に使っていった方が
    妥協してモノを買わず、人生が豊かになっていくような感じがしました。

    球体の神秘さも感じ取れます。

  • 琴美✈︎kotomi says:

    「購買は小さな結婚」
    Kさんの仰る意味が最近分かってきた気がします。

    以前は安物の買の銭失いで、とにかく価格重視。
    服やカバン、靴などをとにかく価格重視で買っていましたが、今は少々お高くても「長く愛用できるかどうか」を基準に買う様になりました。

    私も愛用して8年になるリュックは絶大なる信頼と安心感を与えてくれ、どこへ行くにも彼でなければなりません。

    しかし経年劣化で少し私よりも早く年老いてしまったので、新しいパートナーを迎え入れようか迷っています。

    8年間愛した彼との別れは名残惜しいですが、きっと彼も分かってくれると信じています。

  • ゆかり says:

    小さそうに見えるのに、2リットルも入るのですね!
    なぜか可愛く見えちゃう、球ってすごいです。

    少し調べてみましたが、ホットワインにも良いのですね。ショールのようなコルクスリーブ、外でも使えるようにコルクの栓、食洗機も対応している、なんと優しい設計なのでしょう。

    Kさんはクエン酸を使用して洗っているとのことですが、機械任せで洗わないような気がしますが、どうやって洗うのでしょうか。
    毎日たくさん水を飲むので使ってみたいけど、洗うのが、、、と思ってしまいました。

    それと羽鳥湖、これをチョイスされるのにもこだわりがあるのでしょうね。
    私は波照間島で見た星が忘れられません。

  • 亜也可.ayaka says:

    「球」が安定の象徴であり、時とともに石や人も丸くなっていく、そんなふうに行き着く先が一緒になるなんて、よく考えてみるとなんだか不思議です。

    その不思議は言葉で説明出来なくても、メリオールとの結婚が人生最良の選択であろうことはお写真を拝見すれば一目瞭然の、柔らかさと美しさです。

    それは本人自らが発する輝きでもあると思いますし、愛されているがゆえの輝きでもあるのだと思います。

    こんな素敵なお相手がいれば、羽鳥湖の星も少しばかりえこひいきして、いつも以上に輝いてくれるのではないでしょうか。

  • 雄貴 says:

    「球」は、安定と平和の象徴

    その一文を見て、急に球が柔らかくて、安心感を与える形状に思えてきました。

    物体においても、自分自身においても、丸みを帯びたものは美しいという事を、頭の片隅に入れておきます。

  • 美保 says:

    購買は小さな結婚のようなもの。

    一つの製品を丁寧に扱い、愛することをこのように表現されていて、凄く素敵だなと素直に感じられました。

    消費が多い現代社会で、ひとつのものにここまで想いを込められる方は少ないものですね、、

    本当に心惹かれる素晴らしいものには、きっと値段も関係のないのだと思います。
    結婚もそうであるように。

  • 真里 says:

    確かに、三角や四角よりも「球」の方が安心を感じます。
    全く関係ありませんが、かの手塚治虫氏は真円をハンドメイドで書くことが出来たと昔観たテレビ番組で紹介していました。手塚氏の描く世界の登場人物達が親しみやすく感じるのは、その真円で描かれたパーツを元に作成されているから、かもしれませんね。
    メリオールというお品を初めて拝見しました。
    理科の実験で使うフラスコを連想させますが、Kさんの机に置かれ、
    ランプに照らされればお洒落な器に見えるのだから不思議です。
    購買=結婚という発想は今までありませんでした、
    強いて言えば、私がこれまでの生涯で単価が一番高かった車にはKさんと同じような感覚を抱いていました。名前をつけて、月に一回洗車機で洗い車体を拭くときは、子どもの身体を拭いてあげているような慈しみの感情が生まれていました。
    それは私を命を守り、どこまでも連れて行ってくれる相棒への「愛情」に他なりませんでした。今回の記事を拝見し、金額に限らず、全ての購買にそうした情があるべきなのだと気付かされました。
    改めて、食べ物や私が過ごしやすくしてくれる「モノ」達へ日々感謝し、お迎えしていきます。
    いつも素敵な気付きをありがとうございます。

  • 秀直 says:

    一生物との出会いは多い方がいいのか少ない方がいいのか。
    一生物と言える出会いはどれくらいあったのだろうとふと考えました。

    私はビールと日本酒党でビールグラスと徳利とお猪口を眺めるのも大好きで、雰囲気に合わせてそういった瀬戸物を選んで飲むのも楽しんでいます。

    メリオールのような洒落た容器を探しに出掛けたいと思います。

  • さよみ says:

    尖った物よりは丸い物を見る時の方が癒しを感じます。娘とシャボン玉を吹いて遊んだりして居る時大きかったり、小さかったり浮いているのを眺めても癒されるし影や光によってシャボン玉の反射する色も変わって楽しめるので、童心に帰りつつ娘よりも必死で吹いている自分に幼少期の頃の懐かしさも感じました。

  • Yuto Ueda says:

    力が均衡した先に、調和に至ったものは「球」の形となる。
     
    まさに今僕が目指しているものだなと感じました。
     
    個性と個性がぶつかり、それぞれの輝きが薄れることない調和が産み出す球体。
     
    そんな理想の形をさらに突き詰めていきたいと思える記事でした。
     
    ありがとうございます。

  • まれすけ says:

    高いけれど良いものを長く使う。
    安いくてそれなりのものを頻繁に買い替える。
    小さな結婚と言われれば、前者を取るでしょう。

    あ、男性の立場からこんなことを言うと女性蔑視だと言われるかもしれませんが、そんなつもりは全くありません。
    やはり大切な人とは、長く添い遂げたいと思いますし(妻が万が一見たときのことを想定しています)、長くいてこそ、その良いところもよりよく見えてきます。

    こんな美しいデキャンタでワインをたしなめるようになりたいものです。

  • なかむぅら(中村) says:

    購買は「小さな結婚」という言葉がとても印象的でした。

    普段の生活には、意識していなくても様々な「契約」があり、購買という行為も買い手と売り手との、お互いの合意のみで成立する承諾契約という、法令上の認識はしていましたが、そこには、買われる対象への気持ちが、存在していませんね。

    「小さな結婚」という言葉には、買い手と買われる対象との心の契約があり、とても素敵な概念だと感じました。

    私も、浮気せずに、心から添い遂げるような対象と、豊かな時間を送っていきたいと思います。

  • 石黒知行 says:

    「学研の?」「科学!」
    「STAP細胞は?」「あります!」
    と合言葉で即答してしまう程の
    隠れ「理系男子」である私は言わずにおれません…

    此方のフォルムは、あの理科室のアイドル
    「◯ラス◯」…ですよね?

    その内部で、セレンディピティなケミストリーが
    繰り広げられる、あの「まぁるい小宇宙」は、
    研究者ならずとも、我々人類の探究心を掻き立てる
    不思議な魅力を放ちます

    葡萄酒の味わいを時空を超えて経年変化させてしまう
    Missメリオールが其のフォルムを成しているのも
    偶然とは言い難く、また
    バリバリ理系エリートのK氏が彼女に惹かれることも
    また必然なのではないかとお察しします

    そしてその想いは、理系男子の最終到達地点とも言える
    あの「元祖AIロボ」さながらの星空ツーショットからも
    ひしひしと感じられるのです。愛ですね…

  • shingo says:

    実はこれまで、ほとんどが妥協や
    浮気での購入の連続でした。 
     
    妥協を繰り返すばかりで、
    財政がひっ迫することも多々。
      
    しかし、そんな私も人生でひとつだけ、
    一目惚れして購入したものがあります。
     
    それは今使っているメガネです。
    驚くほど顔にフィットして
    今や、結婚10年目を迎えて、
    相思相愛です。

    浮気するつもりはないのですが、
    なにぶん経年劣化が激しいので
    そろそろ新しいパートナーとも
    契約しようと考えています。
      

    尖った息子はいないのですが、
    静まりかえった羽鳥湖高原の
    満点の星空を共に眺めれば
    今のパートナーも快く
    許してくれそうな気がします。
     

  • 摩衣 says:

    コンテスト優勝おめでとうございます。
    ここまで大事にしてもらえるなら、
    メリオールも神戸まで逃げたりはしないでしょう。

    本当にこの子とずっと一緒に過ごしたいか。
    添い遂げる覚悟で選ぶことは完全に善だと思います。
    そういうものが選ばれ、残っていく時代ですよね。

    また余談ですが、
    我が家の反抗期を迎えていない息子は、
    ワインの向こうの星空が気になっているようです。
    またいつか、ご紹介頂けましたら幸いです。

  • tomoki says:

    記事を読ませていただきました。

    購買する際の、小さな結婚式。
    私も物を購入する際、本当に必要か
    最後まで丁寧に大事にすると
    いうことを大切にしています。
    この言葉を聞いてしっくりときました。

    ワインと水の容器本当に綺麗で
    美しいですね!!

  • Hirokan says:

    世の中には球や丸で溢れていますよね。
    どんなに角ばったモノにも丸味を付けることで安らぎ·安心感·安全のような印象を感じます。輪·和·環·円…星も人の魂や量子も1つの球のように感じます。纏う光は時に荒々しく、時に静かに…光輝く印象です。結婚もお互いの輝きを損なう事のなく歩みより高め合い寄り添える関係が理想的なのでしょう。人も購買も同様にお互いを尊重して感謝して慈しめる在り方、勿体、世の中に球で溢れているのは、心の在り方を宇宙が伝えてくれているように感じました。素敵なCodawariをありがとうございました。

  • あめ says:

    何かを購入する事を決める事も己の在り方が問われる、私は普段どれだけ何かを購入する決断に責任を持っているのだろうか。
     
    どんな物も消費者の手に渡るまでに多くの人の手を経ているのに、その多くの人の仕事に敬意を持っていただろうか。
     
    今日は、これらを内省しながら瞑想したいと思います。
     

     

  • 若菜 says:

    あぁそうか、、!
    購買に対する価値観の答えがようやく見つかった気がします!

    「小さな結婚」。

    まさに、まさに。

    幼い頃から「良いものを長く(永く)使うように」と教育されてきた身にとって、モノを買う行為は畏れ多く感じる事さえありました。
    添い遂げる覚悟はあるのかと念書を突きつけられるように。

    最近は大量生産大量消費される衣料にも疑問があるので(染料での水質汚染など)、日々纏う服も長く着用できるものを取り入れていこうと思っていました。

    それにしても、綺麗なまんまるのデキャンタがとっても可愛らしく見えます^^
    球体、安定と平和の象徴ですね。
    満月は気が満ちると言われるように、形そのものにパワーが秘められているのでしょうね。
    以前ご紹介くださった地球儀が微笑んでいるようにも思えます。

  • 池島早希 says:

    僕の中で、丸いものといえば長年愛したサッカーのサッカーボールでした。
    とてもその丸いものからは瞑想の気分には程遠く、闘争心が芽生えます…(笑)
    Kさんの文章はとてもユニークで美しいので、次はどんな文章が来るのだろうと頭を働かせながら読むことができ楽しいです。
    スパイクは大事に磨いたのに、サッカーボールを磨かなかった当時の自分を情けなく感じました。物を大切にすることを改めて考えさせられた素敵な記事でした。

  • 秀道 says:

    本日も新たな世界観を見させていただきありがとうございます。

    僕自身も「球」= 丸いものに対しては愛着が湧きます。スポーツは球技が好きだし、キャラクターもドラクエのスライムが好きだったりします。

    物を買う時は愛着度よりも、コスパを重視してしまう性分のため、この記事をキッカケに物を購入する際は「相棒」を見つけるかの様に選択したいと思います。

  • りゅうき says:

    この世界観に引き込まれてしまいそうなくらい美しい写真と文章でした。
    物を買うときに妥協ではなく、しっかりと吟味した上で、結婚をするというつもりで買おうと僕も思いました。
    物を大切にし、しっかりと向き合える。
    そんな男になりたいです。
    次の投稿も楽しみです。

  • 貴子 says:

    人は球に魅了される。確かに、子供の頃からビー玉やスーパーボールは集めては眺めていたくなるものでした。泥団子さえも美しい✨
    物を大切に磨きあげるのと同様、夫婦共々自分のメンテナンス欠かさず、常に感謝を伝え合う事が愛を持続させる秘訣なのでしょうね。

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