宜しい!契りを交わそうではないか
先日、廃れた名刺交換について記させていただいたが、
「印鑑を押す」という行為も、損なわれた文化のひとつだろう。
印は、古くはメソポタミア文明の宝として使われ、
以降、西洋・中華・日本とあらゆる国において、
貴族や王族が、契りの場で用いる特別な品であった。
しかしどういうわけか、現代の日本では、
「契約=印鑑」という部分だけが形式的に引き継がれ、
市役所の手続きや、通販の受け取りに使われるようになった。
元来、押印は、誓いを示す儀礼的なものであり、
決して、百円ショップで売られるべきものではないため、
本日は、そんな美しい儀式を私の印を用いてご紹介しよう。
愛用の封蝋印(シーリング・スタンプ)。
私が大切にしている世界観、美学、使命を、
譚畫技師(たんがんぎし)の腕にて、円形の象徴に描き起こしていただき、
イタリアの職人に形作っていただいた世界にひとつだけの印だ。
敬愛する友への手紙や贈り物、あるいは、重要な契りを交わす際には、
ワイン・レッドの蝋を垂らし、心を込めて封をする。
開ける側にも、期待と緊張を感じていただくのが封蝋の役割である。
この印が出来るまでには、想像を超える時間と労力とお金がかかったため、
初めて手にしたときは、興奮のあまり涙と鼻血を流しながら、
スマートフォンのカバーから、ブックケース、ワインボトルに至るまで、
あらゆる物に「えいや!えいや!」と押して回ったことはここだけの話にして欲しい。
ここで封蝋の押し方を伝授しよう。
まずはスプーン一杯の蝋を炉で溶かし、封蝋印を氷で冷やしていただきたい。
火を通し続けると、蝋に濁りが顕れてくるが、
これもまた良い味を出すので、お好みのタイミングで引き上げてよい。
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準備が整えば、封をしたい場所にトロリと垂らしていただき、封蝋印を押し込もう。
その際、「宜しい!契りを交わそうではないか」という厳格な気持ちでいること。
最後に軽く火で炙ると、艶が出てさらに美しくなる。
「Codawariを持つ美徳」と「契りを交わす儀礼」に共感していただけるなら、
近い将来、読者諸君にもお譲りしよう。
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ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。
「印鑑」って面倒な印象しかないけど、元々は王様やら貴族が「契りを結ぶ」ために使った儀礼的なものらしい。
その世界観を尊重し2ヶ月と数十万円の費用をかけて作ってみた。
世界にこれ以上美しい印があるなら教えて欲しい。
#ブログ更新 https://t.co/zgOURr15UI pic.twitter.com/7tdA5Lb99Q— Codawari美術館:館主K (@Codawari1) September 21, 2021
コメント23件
封蝋印という特別なCodawariの記事をありがとうございます。
「印鑑を押す」という行為に、改めて考える機会となりました。
実印と銀行印の他にも、私は職場で処理する書類の内容によって2種類の印鑑と1種類のシャチハタスタンプを使っています。職場がハンコ文化なので、ハンコの使い分けについて意識はしていますが、そもそも必要なのかは疑問に感じています。
以前に旅先でリンゴの木の枝でオリジナルの(ちょっと可愛げのある)ハンコを作ったことがあり、その時はKさんと同じく、やたらかしこに「えいや!えいや!」と押した記憶があります。
最近はLINEなどで、言葉も写真も何でもその場で相手に届けることが出来る便利さがありますが、心から届けたい想いは、Kさんのように手間をかけて贈ることで、唯一の特別なものに昇華されますね。
ただ蝋を溶かすだけでなく、封蝋印を氷で冷やすところに、綺麗な封蝋を届けたいという相手への思いやりとCodawariが伝わってきます。
このような素敵な手紙をいただいた日には、期待よりも緊張がはるかに高まり、勿体なくて封を開けられません。私ならきっと、手紙の端を切って、中身を出してしまいます。
コミュニティの仲間同士で、同じ封蝋印を用いて、グループ毎や階級毎に蝋の色を使い分け、(知っている人だけに蝋の意味が伝わる)手紙のやりとりが出来たら面白いなと感じました。
Kさん いつも素敵な記事をありがとうございます。
今回の封蝋印。蝋を溶かす事から始まり、鮮やかな円形の世界にひとつしかない、封蝋印を押すまでは、まるで厳かな儀式の様ですね。
今は宅配が届いた時に100均のでポンと、押すくらいしかハンコは使わないです。
いつか、夢の中でもよいからあの鮮やかな世界でひとつだけの、円形の封蝋印が押された物が届いたら、もう、感激で差出人の名前さえ確認しなくても、分かってしまうので、喜びよりも、期待よりも、一体どんな内容なのか、知りたいよりも、恐怖が心勝り、心臓麻痺を起こしそうです。
封蠟がされた手紙は、厳粛で厳格でアーティスティックなイメージがあります。中の手紙は、それこそ羽根ペンで書かれていて欲しい気がします。
お酒好きの身としては、蠟で封がされたスコッチ「Makers Mark」を想像しますね。
ぜひ、この封蠟がされたものをお譲りいただきたいです。
Hello Mr.K!
シーリングスタンプを使われているとは気品が伺えます。王室ではよく使われますが、さすがですね。手間をかけることは、お料理でも、洗車でも、手紙を書くことでも、靴を磨くことでも、向き合うということで人間らしさがありますね。
印を押すとはどういうことなのか。
日常の何気ない習慣の根底を今一度考え直す、素敵な機会を今回はいただきました。
いつの日かKさんと契りを交わせる日が来ることを心待にしています。
Kさん、こんばんは。
今まで契約=印鑑というイメージしかなく、
何も考えずに「えいやえいや」と印鑑を押していたのが、恥ずかしくなりました。
手間をかけながらも想いを込める事のできるシーリングスタンプの魅力に引き込まれています。
人間として在るということの忘れかけていた
大切なものに気づかせていただいたような感覚になりました。
「想い」を大切に過ごしていこうと思います。
有難うございました。
Kさん、本日もCodawariのお裾分け
ありがとうございます!
恥ずかしながら
封蝋印を初めて拝見しました。
Kさんが興奮して『えいや!えいや!』
押して回っている姿を想像して、
ほんわかした気持ちになりました。
私も印鑑にはこだわりを持っている方だと
思っていましたが、Kさんには全くかないません!
印をお譲り頂けるまで、拝読し続けます!
次回も楽しみです。
ありがとうございました!
いつも素敵な記事をありがとうございます。
こんな風に印を押した事が人生でないので、新たな文化を学ばせて頂きました。
押印の文化はアジア特有のものだと思い込んでいたので西洋にも同じ文化がある事に驚きました。
近い将来私も「えいや、えいや」と色々なところに押印できる日を楽しみにしたいと思います。
次回も楽しみにしています。
ありがとうございました。
契約=印鑑
そんな印象しかなく、それすらも煩わしく感じていた中での今回のお話。
たしかに100円ショップで売られるものではないですね。
押し方の流れが本当に儀式のようです。
いつ使うのかはありますが、世界に一つだけというのは良いですね。
本日も自分にとっての非日常をありがとうございます。
封蝋を押すまでの準備も美しすぎる時間ですね。普段僕が押している印鑑は形式的な感じですが、これは儀式と呼びたくなります。
お相手の方との深い関わりのスタートを感じます。今日もこだわりないありがとうございます♪
「契りを交わそうではないか」
という気持ちを持って使えと
言いながらも、「えいや!えいや!」と
どこかしこに押してしまう気持ち
とてもよく分かります。
製作までの過程もあったかと思いますが、
と同時に、とてもスタイリッシュで
美しいです。
多分私もしばらくは同じことをやると
思います。
久しぶりに欲しいと思いました!
Kさん、こんにちは。
本日も興味深すぎる記事を有難うございます!
会社や役所での意味の無い押印のしきたりに嫌気が差していたので、もの凄く共感できます。
大切な契りを交わす際や、手紙を出す際など、特別な時に一つ持っておきたいですね。
Codawari美術館を象徴するようなアイテムだと思いましたし、
毎日Codawari美術館に通っている私も、近い将来ぜひ欲しいと思いました!
次回も楽しみにしています。
Kさん、おはようございます。
世界にひとつだけのシーリングスタンプ…。
codawariの表紙を飾るこの美しい印の物語はとても興味深く拝読しました。
シーリングスタンプに込められた意味や押し方など初めて知ることばかりでワクワクが止めりません。
出来上がった時にKさんがあらゆるものに押して回る気持ちがわかります!!
Kさんいから心を込めて封をされた手紙が届いたなら、期待と緊張でキュン死してしまうかもしれません。
今日も素敵な記事で夢の世界に誘っていただきありがとうございました。
次回も楽しみにしています♪♪
本日も貴重な記事をありがとうございました。
形骸化されたものは、探せばたくさんありそうですね。
書類にサインをもらう際に、流れ作業のようにスタンプラリー感覚でいたことが恥ずかしくなってきました。
職場等でサインをしたりする場面は多々あります。
せめて気持ちだけでも【誓いを示す儀礼的なもの】という感覚を常に心に留め、
契りを交わしていきます。
そういう思いでいるだけで、
お互い【印を押す人・押される人】の関係性も今まで以上に良くなる気がしてなりません。
印についてのこだわりだけでなく、相手との関り方についても応用できそうです。
貴重な気づきをありがとうございました。
実物を拝見したいものです。
同様の物を見たことがないのでさぞ鮮やかな物と想像します。
このような思いを込めた心をお持ちの方から蝋印されたものを贈られる人間になりたいです。
使う側としても簡単に済ますことのできる押印の行為もじっくり時間をかけて行う儀礼としての習慣を持てるような心の器の大きな人格者になりたいと強く思います。
ありがとうございました。
Kさん
素敵なシーリングスタンプと封蝋の押し方までご教授頂き、ありがとうございます。
印についての歴史的な意義やその背景を考えたことが無かったので、この現代に忙殺されていると、印は「契約=印鑑」という形式的なものしか捉えることができませんでした。
先方にちょっとした手紙や何か贈り物をする際にも、愛や友情の誓いとして添えれば、相手への素敵な心遣いになるのでしょうね。
100円ショップで売られることは決して無い世界に一つだけの印だからこそ、特別な想いを込められますね。
本日も美しい記事を拝見させて頂きました。
シーリングスタンプという言葉も知らず、パッと聞いた時にはどんなスタンプなんだろう、押すだけでくっつけるって画期的!とちょっと違った感想を持っていました。
印鑑はほんとにいるの?と思うような場面でも色んなところで使われています。正直サインというか手書きでほぼ十分かと。個人を示すものだから唯一無二のものを準備するのは大事だと思います。
特注ではないですが、今度シーリングスタンプ買って使ってみようと思います。
「ここまでやったら誰にも敵わないよね!」という
崇高な基準でつくられた【印】に
深い愛情と熱意を感じられずにはいられません。
きっと【印】を押す瞬間はドキドキが止まらないでしょう。
記事を読ませて頂き、とても高貴な朝を迎えることができました。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
Kさん、素敵なアイテムをシェア頂きありがとうございます。
涙と鼻血を流しながらKさんが子どものように印を押しまくる姿は想像出来ませんが笑、本日もTIPSと微笑み溢れる素敵な内容に朝からニコニコしています!
印=契約に使うものという、便宜的な解釈しかしておりませんでしたが、これからはワクワクしながら”契りを交わそうではないか!”と思えるような内容にしか契約しない事を心に誓いました。
手紙という文化が薄れてきた現代で、蜜蝋で封をされた手紙が届けば見ただけで心臓が跳ね上がってしまいますね!
あ、そういえば蜜蝋で封をしたものは開封用のナイフがありますよね?
今後それも準備せねばなりません。
Kさん、おはようございます。
興味深い記事を拝見させていただきました。
Kさんは常にその物が持つ役割や歴史的背景に至るまで知った上で使用されていることに感心させられます。印鑑を押すことも形骸化されていたようですね。
記事の封蝋印はどの視点から見ても飽きないデザインとなっていますね。ここまで良いデザインでしたら炉に火をつけるためのマッチや封蝋印を冷やすための容器をとことんこだわりたくなりますね。押印をすること本来の意味である誓いを立てるには最適な逸品なのではないでしょうか。
ここまでこだわった逸品を作られたら確かに目の届くところに押して周りたくなりますね。押し方をシェアしてくれてありがとうございます。
今回もありがとうございました。
次回も楽しみにしています。
Kさん、本日も素敵な記事をありがとうございます!
印鑑を持って子供のように「えいや、えいや」と押す姿を想像したら笑ってしまいました。
印鑑は契約のためというのが当たり前だと思っていました。
この記事を読んでさらにkさんの考えやCodawariが
素敵だと感じました!
また、この素敵な印鑑を近い将来、僕たちにもお譲りいただけるとは。
楽しみで仕方ありません。
次も楽しみにしています!!
Kさん。
これだけ手間や時間、労力をかけて作られた印は見たことがありません。
私自身、印鑑を履歴書や書類に対してほぼ頭を使わず押してきましたが、KさんのこのCODAWARIを拝見させて頂き、
相手との誓い全てに本気で向き合っていこうと根本的な部分を見直させて頂きました。
近い将来にお譲り頂けるとは。
本当にKさんの広すぎるお心に感服です。
今か今かと楽しみにしております!
前略
Kさん、こんにちわ。
私も「えいや、えいや」と押したくなりました。
ただ
押す機会がないな〜と思いましたが
押す機会を作ればいいと想い直しました。
今から検索し
検討を重ねて作って頂きます(^_^ゞ
新たな思考と粋なcodawari
ありがとうございます(^_^ゞ
なが