2021-08-29

パイナップルを食べて腰を抜かさない方がどうにかしている

先日、お世話になっている元探偵の女性が、

誕生日を迎えられたと伺い、お食事に招待させていただいた。

 

探偵として超敏腕だった彼女は、人を観る目が極めて優れており、

持ち前の愛嬌と愛想で、違和感なく相手の懐に入り込むため、

私はお会いする度についつい余計なことまで話してしまう。

 

アガサ・クリスティのように才覚溢れる探偵は、

「美味しいもの」を見つけてくる嗅覚も持ち合わせており、

今回もこだわりの手土産をいただくこととなった。

本日は、ドライ・フルーツの食レポをお届けさせてもらいたい。

多々楽達屋の「ドライフルーツ&ナッツ」。

ナッツ5種にドライ・フルーツ6種が、宝石箱のような箱に収められている。

 

多々楽達屋のフルーツは、ありがちな「砂糖漬け」ではなく、

長時間、低温で乾燥させた誤魔化しの利かない造り方らしく、

実際に封を開けたフルーツたちは、一般的なそれとは全く別物であった。

いずれも素晴らしかったが、特にパインとイチジクには大変驚かされた。

どのくらい驚かされたのかというと、

「通話会議中だから決して声を出さないで。」と念を押す妻の横で、

歓喜の雄たけびをあげてしまったくらい驚いた。

 

ちょうど先日、近所のマーケットでドライ・パインを購入したのだが、

それと比較すると、とても同じものだとは思えない。

決して前者が悪いわけではないが、それでもこのパインを前にすると、

イタリア・アルバ産の白トリュフと、ブルボンのトリュフ・チョコくらい違うのだ。

 

しかし冷静に考えてみれば、私のような平民が、

良質なパイナップルを食べて、腰を抜かさない方がどうにかしているのだ。

なぜな人類の歴史上「貴族のスイーツ」として食べられてきたものだから。

 

ルイ14世の時代には、贅をつくしたヴェルサイユの饗宴にて、

パイナップルは、富と権力の象徴として食べられていたし、

英国でも長年、貴族のスイーツとして愉しまれ、

今でもウィンブルドンのトロフィーには、パインが載せられているくらいだ。

私は昔から、イチジクが大好きだが、乾燥させたイチジクは大嫌いだ。

なぜ生で美味しいものをわざわざ乾燥させるのか?

天日干しにした不届き者たちを、

ひとりひとり訪ねて成敗しようかと悩んだ夜もあった。

 

しかしその歪んだ主義も、本日限りで悔い改めることとなった。

多々楽達屋のドライ・イチジクを食べると「あえて干す意味」がよくわかる。

干すことで余計な水分が抜け、

とろりと凝縮された甘味が、ネッビオーロのワインによく合うのだ。

 

イチジクは、エデンの園でアダムとエヴァが食べた

禁断の知恵の実」だという説があるそうで、

確かに食べる前と後では、私の知能指数は3ポイントほど上がった気がする。

 

今回、合計4袋もいただいたので、

全て平らげた後の自分が一体どうなってしまうのか、ゾクゾクするくらいだ。

Tさん、素敵なギフトをありがとう。

 

 

PS(追伸)

Kは、偏屈で気難しい人物である。

それゆえ友達が少ないため、申請してあげると喜ぶに違いない。

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コメント20件

  • Yuto Ueda says:

    ドライフルーツという一つの手土産に対して、ここまで読者を引き込む文才に感服いたしました。
     
    また、ここまでKさんが筆を走らせてしまうほどに衝撃的な美味しさのドライフルーツ。
    到底僕の引き出しには入っていない美味なのだと想像します。
     
    今回も試みたされる記事でした。
    ありがとうございました。

  • 早紀 says:

    Kさん

    ドライフルーツと言うと最近は大抵のものが
    原材料欄を見ると砂糖を使用していて
    げんなりするのですが、
    ご紹介のこちらは砂糖不使用の
    誤魔化しできないものなのですね。

    果物を乾燥させただけ
    というとなんとも短絡的なのですが、
    水分をたっぷり持っている果物から
    水分をとるという工程はとても難しかったです。
    自分でも作ってみましたが、
    なかなか上手いように抜けませんでした。
    ですが上手く作ることができたときには、
    果物が本来持つ甘みが一層引き出されて、
    りんご1個分ほどを
    ものの数分で平らげてしまいました。
    ドライフルーツはまた一風変わった
    魅力を持ち合わせているものですね。

    暑い南国のイメージが
    強いパイナップルですが、
    ルイ14世の時代に既に宴で
    振る舞われたものなのですね。
    時間とお金と、ありったけのものを
    つぎ込んでさえ遠い異国の物を食べたい、
    しかも手を加えずに
    太陽の下で伸び伸びと育った、
    横暴に言ってしまうと
    切っただけのそのままの果実を好んだ、
    ゼリーだのケーキだの、あらゆるものを作ることが出来る発展したフランスの国でさえ、
    自然の甘みには叶わなかったことを思うと
    それらもまた果物の持つ
    奥ゆかしさを感じました。

    古来からの人類全体における血なのか、
    私もいちじくやデーツなど、
    異国の実りあるものに特に惹かれます。
    トランジットで初めてアラブの国に降り立った、あの時のことが今も尚思いだされ、
    今でも自宅でデーツを味わっています。

    本記事も素敵な時間をありがとうございました。

  • shingo says:

    私もフルーツは大好きで、毎日キウイや
    バナナを必ず食べています。

    ドライフルーツはもともと食べる習慣が
    なかったのですが、車を運転するようになり、
    ドライブ中のおやつとしてマンゴーを
    よく食べています。

    そして偶然にも先日いただきものの
    イチジクのドライフルーツを食べたのですが
    おっしゃる通り、絶品でした。

    甘さが凝縮されているので、
    フレッシュ感はなかったのですが
    私は紅茶と一緒に食べるの好きです。

    今度はぜひともワインとともに優雅に
    堪能してみます。

  • Karin Ishikawa says:

    Kさん、こんにちは。
    今回も素敵な記事ありがとうございます!

    私もドライフルーツやナッツは好きでよく食べていますが、パイナップルやイチジクは食べたことが無かったのでとても気になりました。

    また、記事で紹介されていたドライフルーツは、Kさんの反応からしてとても美味なものだということが伝わってきました。無意識で声を上げてしまうほどとはすごいですね!

    次回の記事も楽しみにしております。

  • まれすけ says:

    ドライイチジクを刻んでクリームチーズと和えたものが大好きですが、業務用お徳用のドライフルーツでは、本当に美味しくはなりません。
    ドライイチジクに関しては和歌山の「のうかかわかす」シリーズが、国産イチジクを使っており、お値段も張りますが、めちゃくちゃ美味しいです。
    もし機会があれば一度お試しください。

  • 江畑直人 says:

    Kさん、おはようございます。

    Tさんからの心の籠もった贈り物、とても素敵ですね。

    パイナップルは富と権力の象徴であるとは全く知らず、私の経営するカフェでは当たり前のように捌き、当たり前のように食していましたが、美味しさを引き出す工程を通ったパイナップルは雄叫びをあげてしまうくらい、美味しいのでしょう。※そうして初めて自分が平民であることを痛感するのでしょうか?

    イチジクは昔から実家でよく出てくるフルーツでしたが(実家にイチジクの木が生えているため)、私は嫌いで仕方がありませんでした。

    しかし、ドライフルーツにして甘さと旨味を凝縮したイチジクは食べてみたいと思いました。

    本日も素晴らしい記事をありがとうございます。

  • KさんとTさんのお人柄が伺えるエピソードですね。
    ドライフルーツは歓喜の雄叫びを上げるほど美味しかったのですね。
    今後は奥様と一緒に食べないとですね。
    お二人で雄叫び上げて、ご近所さんから苦情が出ないことを祈りますが。
    パイナップルが「貴族のスイーツ」であること、知りませんでした。
    石垣島にいる従姉妹から毎年パイナップルが届くのですが、最初は丸ごとのパイナップルの扱いに戸惑いましたが、今ではカットするのはお手の物です。そして、私なりのパイナップルへの拘りがあります。
    皮に残った果肉はスプーンで削ぎ落として、ジュースもしくは凍らしてアイスにして頂きます。芯の部分も凍らし、スムージーとして利用しています。
    このように、パイナップルへの愛は深いので、ご紹介頂いたパイナップルは食べない訳には行きませんね。
    ちなみに、コストコで買った大量のピスタチオを封を開封し、輪ゴムで止めて保管していたのですが、すっかり忘れていたらカビが生えておりました。ナッツは乾燥されているから、カビが生えないとばかり思っておりましたが、一度封を切った物は酸化が進むので、密閉容器に入れて冷蔵、もしくは冷凍保存が好ましいようです。

  • Nobutoshi says:

    ドライフルーツ。

    自らとって食べる事はまずないだろう。というのが最初に思ったことです。

    なぜ生で美味しいものをわざわざ乾燥させるのか?

    まさにこの感覚があって自分も成敗してやろうかとまでは思わなかったですけど理解ができないんです。

    それを悔い改めるようになるドライフルーツ。気になります。

    今日も自分にとっての非日常をありがとうございます!

  • 石黒知行 says:

    Tさんが招待状を手にされてからの、
    恐らくこれまでで最も入念なリサーチと、
    Kさんの事が頭から離れなかったであろう
    日々を想像すると
    この漆黒の宝石箱が、より愛おしく見えてきます
    どんなラッピングよりも、ラブリーなベールに
    包まれていたことでしょう

    時間を味方につけて「余分なもの」は抜けてゆき
    凝縮された美しさを纏えるのであれば、
    毎年の誕生日も待ち遠しく思えるかもしれませんね
    と、あの弾ける笑顔をお見受けする度に思えます

  • 若菜 says:

    とても素敵なエピソードですね^^
    シェアありがとうございます!
    Tさんの相手を慮る手土産のチョイス、とても参考になります。

    美味しそうなドライフルーツ、パイナップルは特に味わい深そうです。
    貴族のスイーツと呼ばれていたことは記事を読んで初めて知りました。
    南国フルーツのイメージが強いので、きっと重宝されたことでしょう。

    禁断の果実は林檎ではなく、無花果説があるのですね。
    無花果のドライフルーツも久しぶりに食べたくなりました。
    一時期ハマりすぎて何度お腹を下したことか・・

    ドライフルーツ専門店も巡ってみたくなりました。

    次回も楽しみにしております。
    ありがとうございました。

  • Yusei says:

    ドライフルーツあまり食べたことがないので、
    一度食べてみたいと感じました。

    「干す」ことで食材の旨みが引き出される場合もありますよね。
    私は刺身より干物のお魚の方が好きです。

  • 琴美✈︎kotomi says:

    Kさんいつも素敵な記事をありがとうございます。

    イタリア産の白トリュフとトリュフチョコレート位違うと言われると、試してみたいと思うミーハー心が騒ぎ出します。

    今までフルーツは生で果汁を楽しむもので「乾燥させてしまったら意味がない」と思っていましたがイチジクとパイナップルはKさんが思わず歓喜の雄叫びを上げてしまう程美味なのであれば、これはもう試すしかないですね。

  • mitsue says:

    Kさん、こんにちは。

    Tさんの手土産のチョイスは流石です☆
    宝石箱のような箱に入ったドライフルーツはまさに宝石のようです(^^)

    初めて食べたのが砂糖漬けのドライフルーツでした。
    甘すぎてドライフルーツが苦手になりましたが…低温で乾燥させたこのドライフルーツでしたら好きになりそうです♥
    特に「貴族のスイーツ」と言われるパイナップルを食し、腰を抜かしてみたいです!!

    想像するだけで口の中が幸せになります
    本日も素敵な記事をありがとうございました。
    次回も楽しみにしています。

  • 貴明 Takaaki says:

    Kさん、こんばんは。
    記事を拝見させていただきました。

    いい物は入れ物も拘っているようですね。おそらく開けた時、宝石箱の中を見たようなため息がこぼれたのではないでしょうか。写真越しで見てもスーパーマーケットにあるものとは一線を画す気品さを感じます。

    パインとイチジクは本当に美味しいものだったようですね。冷静沈着のイメージのKさんが雄叫びを上げるほどということは相当な逸品のようですね。一度食べてみたくなります。

    今回もありがとうございました。
    次回も楽しみにしています。

  • 肥田全弘 says:

    元探偵の女性の話術…気になります。

    パイナップルは富と権力の象徴
    英国でも貴族のスイーツ
    今でもウィンブルドンのトロフィーには、パインが載せられている

    素晴らしい知識の共有をありがとうございます。

    イチジクは、生でもドライでも大好物ですので、食べてみたい衝動です。

    禁断の知恵の実の説…

    今日もこだわりをありがとうございます♪

  • 雄貴 says:

    Kさん、おはようございます。
    本日も面白い表現が満載の記事をありがとうございます!

    奥様の忠告を無視して、歓喜の雄たけびをあげてしまうほどのパインとイチジク、とても気になります✨

    またパインとイチジクについても歴史も初めて知る事ばかりで、見る目が変わりました。

    今までドライフルーツを食べる文化がなかったので、市販のものと食べ比べながら楽しんでみたいと思います!

    次回も楽しみにしています。

  • りゅうき says:

    本日も素敵な記事をありがとうございます!

    パインが貴族の食べ物なんて初めて知りました。
    僕もKさんと同じように、フルーツはみずみずしいのが美味しいから、乾燥させてドライフルーツにするのはよくわからなくてあまり食べたことないです。

    しかし、今回の記事を拝見して、
    やはりそれをしている意味があるんだなと思いました。

    びっくりして声をあげてしまうほどおいしかったというそのドライフルーツとっても気になります。

    次の記事も楽しみにしています!

  • 真里 says:

    素敵なエピソードとアイテムをシェア頂きありがとうございます。アルバ産白トリュフとブルボンのトリュフはトリュフ違いで朝から笑いました。
    Kさんが唸るほどの逸品をご存知のTさんはさすがですね。
    パイナップルが貴族から愛され富の象徴とは知りませんでした。確かに、見た目がゴージャスな所も加点ポイントです。
    私もイチヂクが好きなのですが、干しイチヂクは食べたことがないので是非ともお取り寄せしてみたいです。
    朝から笑顔とTIPSをありがとうございました。

  • 朋子 says:

    Kさん!

    今、Twitterから
    この記事の更新を知りました。

    いつもは
    公式LINEで気づくのですが、
    何故か更新されてなかったので…

    改めて
    先日は貴重なお時間と
    ステキなプレゼントを
    ありがとうございました。

    私からは
    ワインが大好きなKさんに
    少しでも喜んで頂けるものは
    と探しておりました。

    ブログ記事にして頂きまして
    めっちゃ光栄です。

    Kさんの生態系を知りたい欲求が
    止まらず
    無茶ぶりして
    過去のお写真を
    見せて頂きありがとうございました。

    その頃のエピソードまで
    特別に教えて頂きました。

    これは私のめっちゃ貴重な財産と
    なっております。(^^)!

    改めて
    これからも
    よろしくお願い致します。

  • みゆき says:

    パインが貴族の食べ物だとは初めて知りました。
    ドライフルーツはなかなか手を出すことは今までなかったので、Kさんオススメのイチジクは是非食べてみたいと思います。

    今回も素敵な記事をありがとうございました!

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